こんにちは。この講座始まって以来、初めてのご質問です。ちょっとうれしいです(笑)
C/B♭とC7の違いについてですが、非常に簡単に言ってしまえば、ベース音の違いです。
確かに、C/B♭とC7は、鳴っている音は同じですね。ですから、この点だけを取れば「C/B♭とC7は同じだ」と考えることもできるでしょう。しかし、一番下で鳴る、ベース音となる音は、C/B♭だとB♭ですし、C7ではCです。コードネームの基本となるのはベース音で、例えば、「B♭dim」「C#dim」「Edim」「Gdim」の4つは、ベース音が違うだけで、構成音はまったく同じです。したがって、ベース音が変わることによってコードネームは変わり、ベース音が異なることによって「機能的・役割的に」大きな違いが出るのです。
例えば、「ド・ミ・ソ・ラ」という四和音を鳴らし、最後にベース音として、オクターブ下で「ド」を鳴らすと、これはC6です。しかし、ベース音を「ラ」に変えると、これはAm7です。どちらのベース音も和音の構成音に含まれる音ですので、その意味では響きは変わらないはずですが、
Dm7-G7-C6
となる場合と
Dm7-G7-Am7
となる場合では、上はハ長調における終始、下はイ短調における終始で、役割が違いますよね。つまり実際には、「ベースが変わることによって」響きは変わるのです。
「コードの構成音は順番を変えても同じコード」というのは、「ベース音が変わらない限りにおいて」です。説明が足りなかったかもしれませんね。
D/Cの場合、構成音的には、どちらかというとC9よりD7に近いかと思いますが、これも上と同じ理由で、「ベース音がCだから」なのです。ベース音として鳴っていた「ド」を1オクターブ上に上げ、あるいは、順番はそのままで、さらに1オクターブ下で「レ」を鳴らすと、このコードはD7になります。
では、例えば「ド・ミ・ソ・ラ」だけが鳴っていてベース音がない場合、これがC6なのかAm7なのかはどこで判断されるのか?という質問には、「ひとまず一番下で鳴っている『ド』をベース音として考えてC6」でいいと思うのですが、より細かく考えると、これは「判断できない」のです。それを逆手にとったのが
http://tnishioka.web.fc2.com/lesson/chord/3180.htmlに書いてあるようなテクニックですね。
コードネームを決めるとき、ベース音は非常に大切な役割をしている、ということですね。
ご指摘、ご質問いただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。